■平成21年度 卒業論文

●浜田 勝光

ハッシュ関数には多くの応用分野があり，その1 つが情報セキュリティである． セキュリティ応用で用いるハッシュ関数は，特に暗号学的ハッシュ関数と呼ば れている．暗号学的ハッシュ関数の1 つにSHA がある．本研究では，SHA-3 コ ンペティションの第一次選考を通過した14 方式の中から，Luffa というハッ シュ 関数について性能測定を行い，さらに，ループの展開，配列変数のスカラ変数 化といった手法を用い最適化を行った．CPU がAthlonXP 2600+（2.09GHz）， メモリ1GB のマシンで，OS にknoppix 6.0.1，コンパイルにgcc ver.4.3.3 を 使 用した実験環境において，スカラ変数化を行うことにより，コンパイラオプショ ンのみのものよりも，コードサイズをほぼそのままに実行時間を約41%に縮め ることができた．ほかの環境でも測定を行い，アンロールとスカラ化の効果を 調べたところ，いずれも一定の効果が得られた．ただし測定環境により最高性 能を発揮する方法は異なっていた．