発表者名 | タイトル | 要旨pdf |
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朝倉 正善 | NAS Parallel Benchmarkの実行時間予測モデルの改良 | 112KB PDF |
川辺 裕喜 | 素因数分解プログラムGGNFSの性能測定 | 88KB PDF |
高木 翔一朗 | マルチコアPCクラスタの構築と性能評価 | 82KB PDF |
手塚 康瑛 | 組込みシステムのための実時間性能計測手法の開発 | 216KB PDF |
森田 定幸 | 制御モデルから専用回路を生成する手法の予備的検討 | 176KB PDF |
性能・構成が異なる要素プロセッサ(PE)で構成された計算機ク ラスタを不均一クラスタと言う.既存の並列応用の多くは各PEに負 荷を均等に分配するため,不均一クラスタ上で実行すると低速PEが ボトルネックとなり性能低下が生じる.不均一クラスタのための負 荷分散手法としてマルチプロセス法がある.マルチプロセス法とは 高速なPEに複数のプロセスを起動する事で負荷を分散する手法であ る.作元[2005]は,実測値から実行時間予測モデル(N-Tモデル)を 構築し,NAS Parallel Benchmarks (NPB) のうち4つのプログラム について(準)最適なプロセス構成が予測可能である事を示した.し かし,その手法は可能な全ての構成についてモデル構築が必要なも のであった.そこで本研究では,高橋ら[2006]の実行時間予測モデ ル(NP-T モデル) を用いてNPB (ver.2.4)のうちの4つのプログラ ム(MG,CG,FT,LU)について実行時間予測モデルを構築し,最適なク ラスタ構成を予測できるか検証する.
認証や電子署名には公開鍵暗号が広く使われており,特にRSA暗 号が主に用いられている.RSA暗号の安全性の根拠は巨大数の因数 分解問題の困難さであるので,因数分解の高速化はRSA暗号の安全 性の予測において重要な意味を持つ.
素因数分解には試し 割り法, モンテカルロ法, 楕円曲線法, 二次篩法など多数のアルゴ リズムが存在するが,その中でも一般数体篩法は100 桁以上の数を 分解するには現在知られる最速のアルゴリズムである.2005年には 200桁の数(rsa200)が一般数体篩法で分解された.
本研究 では,オープンソースの一般数体篩法ソフトウェアGGNFSについて, 性能測定を行なう.
PCクラスタはコスト性能比が良く,拡張性が高いことから,現 在では科学技術計算など幅広く使用されている.PCクラスタは,使 用するノード数やプロセス数など,クラスタの構成により性能が変 わる.構築可能なクラスタ構成の中から最適な構成を予測するため, 河合ら[2007]は実測値から実行時間予測モデルを構築し,4 つの科 学技術応用について(準)最適な構成が予測できる事を示した.
近年のプロセッサは,消費電力を増やさずに高性能化を行うた めマルチコア化が進んでいる.しかし,マルチコア化により,並列 度の増加やプロセッサコア(コア)間のメモリ競合など新たな問題が 発生した.本研究では河合らの手法を基に,マルチコアPCクラスタ での最適構築の予測手法を検討する.
組込みシステムとは,各種の機器に組み込まれてその制御を行 うコンピュータシステムのことである.近年の組込みシステムでは, マルチタスクOSを搭載するなど多機能化が進んでいる.組込みシス テムのプロセッサにはパフォーマンスカウンタを備えた品種があり, キャッシュミス等のCPUイベントを実時間で計測することが出来る. 実時間性能計測はシステムの性能や動きを知り,性能向上を図る上 で有用である.
本研究では,パフォーマンスカウンタを 用いてCPUのイベント数を計測する手法を開発した.例としてキャッ シュミス数をカウントした結果を示す.
2次遅れ振動系の制御は,搬送制御など実社会で重要な役割を 果たしている.様々な制御モデルがMATLAB/Simulinkで研究され, Digital Signal Processer (DSP)で実装されているが,計算をソフ トウェアで行うため実行速度の限界がある.
制御モデル をFPGA上に専用回路として実装することで,実行速度やコスト性能 比の向上が期待できる.SimulinkモデルをFPGA上に実装する商用ソ フトは既にいくつか存在するが,いずれも透明性,汎用性が低く研 究には向かない.2006年10月発売のSimulink HDL Coder は汎用性 が高い論理記述を生成すると言われているが,新しいソフトウェア なので十分な評価が行われていない.
そこで本研究では, 2次遅れ振動系制御の1つであるPreshaping法のモデルを例として, HDL Coderを用いた専用回路生成手法を検討する.